1stEP『Ōudon』全曲歌詞

2.ボーダーライン

味わわなくていいのにな

苦いばかりで舌が馬鹿になって

思い出せない言葉も

泣いたまま離せなかった

身体はまだ動くの！

絡まった糸をほどくように

溜まったごみを捨てたら

これで証拠は全部

くしゃみして廃墟にひとり

憧れはまだ靄の向こう側

どこまで歩き続けよう

凪いだ空　裸足のまま

砂のついた靴が

若気を守っていた

至らないことさえ

それでよかった

荒んで　また一苦労

絡まった意図を剥がすように

毛ばんだ筆で線を引いて

こっから外部

引きずる甘い言葉も

薬にはならなくて　馬鹿みたいで

ごみを捨てても変わらない

塞いだ部屋　裸足のまま　

すり切れた靴を撫でて

一口だけ冷たい水を飲んだ

ままならない空白に

少しだけ　色づくインク

3.カトラリーをあげるよ

春雷みたいな恋をして　嗚呼

まるで僕が僕じゃないみたい

運命みたいな面をして　嗚呼

歩み寄るステップで立ち止まるの

段々「それっていいかなぁ」

なんかそうでもないかなぁ　空のグラスを倒して

くしゃくしゃのテーブルクロスに　爪跡を残した

きみを知れば知るほど凡庸になっていく

何処にでもいるひとりと気付く

近づけば近づくほど透き通っていく

浮かぶ風の夜に

いつもいつも期待から外れていく

こんなもんか、独りと気付く

誰でも構いはしないこと分かっていく　空の部屋を後にして

瞬間みたいな愛をして　嗚呼

まるできみがきみじゃないみたい

数秒黙ってアレをして　嗚呼

味が多いと分からなくなるの

でもちょっと「なんでもいいよなぁ」

散々になって今更　カトラリーをあげるよ

まっさらなテーブルクロスに　思い出託した

きみを知れば知るほど凡庸になっていく

何処にでもいるひとりと気付く

近づけば近づくほど透き通っていく

浮かぶ風の夜に

いつもいつも期待から外れていく

こんなもんか、独りと気付く

誰でも構いはしないこと分かっていく　空の部屋を後にして

4.NITO

私達はどんな一撃も大事に抱えて、もうすぐそこまで

分かち合えない大きな痛みで息を繋げる

いつだって動力がどこか体の外側にあって

でもなんだかちょっと昨日よりも足取りが軽くて

知りたいことなんか一つもないのにどうして、

金属製の花弁の上、光の下、じゃれ合っている

簡単に無かったことにできる、"せーの"でちゃんと逃げられる

全部、説明書の通り動かない

0と1以外で表せない程度のことだけ

私達はどんな一撃も上手に躱せない、上手に壊れたい

形をなぞる指先で通じる、数えきれないほど冷たさを持ってる

答えに代わる微睡みの味で目が覚める時まで、針を進ませて

解り合えば弾けてしまうほど、あまりに柔らかい

どっちが先に躓いて、どっちが先に諦めて、

どっちもすぐに座り込んで、辿り着けない

どっちが水をやりすぎて、どっちが水を忘れていて

一つには成れるわけなくて

正しく朽ちるために、あと少しだけ暖め足りない

互いに糸を重ねて、嚥み下したことだけ

私達は同じ言語(ことば)で、同じ夢を見て、もうすぐそこまで

分かち合えない大きな痛みに体を委ねて、二つを繋げて

話がしたい、限りない弱さで欠片を拾ってその向こうを見たい

私達はどうして傷を負い、どこへ消えるのか解らない

5.スローモーション

何故だか意思は連続して木々は騒々しいな　誰かを見ていた

意味は置き去りになって日々をのうのうと　過ごしているだけ

遠くまで見通せない　私の動き方は

スローになっていく

6.焼きつき

刑期は揺れる

見えない花びら　動いてるのわかる

きみはブレる

暴風のノイズ　僕はなんか言ってる

明日忘れることにしたなら少し楽しくなる

僕はなんか言ってる

まだ明るい水底

少しズレたあいつの影

ここにいちゃいけない

ここにいちゃいけない

まだ浮かんでる人

プールサイドは知らん熱

まだ明るい水底

少しズレた　少しズレた

きみはブレる

暴風のノイズ

僕はなんか言ってる

なんか言ってる

7.フレームの外側

フレームの外側　見えないところで　物語は続いていく

フレームの外側　解れなくなったら　その時はちゃんと見捨ててね

映画館を抜けて明日は月曜日だとして

主役も悪役も出ない毎日が続く

日々変わっていく事はルーティンの中にとどまる程度なので

主役も悪役も出ない毎日が続く

街路樹を抜けて街頭は離れ離れ

人気のない街は私の貸切みたいで

あの角を曲がったら誰かとぶつかり心入れ替わる

妄想をしちゃう心は子供のまま

信じすぎていたとしても

それ自体はノンフィクションで

逸れてしまっても　迷っても

ここに居ないとは言わせないでね

フレームの外側　見えないところで　物語は続いていく

フレームの外側　解れなくなったら　その時はちゃんと見捨ててね

嫌いすぎていたとしても

思い違いならせっかちだ

気に入らなくても　合わなくても

いらないと思われない様に

フレーズの外側　歌えないことは　ららららら

フレーズの外側　届かなくなっても

フレームの外側　見えないところで　物語は続いていく

フレームの外側　解れなくなったら　その時はちゃんと見捨ててね